※ 6月とされていたリリース予定が9月に延期されました.
新製品「Beowulf」が近日登場予定です.
10年の開発を経てついに, Sonnetの新しい解析エンジン「Beowulf」が2024年6 9月にリリース予定です. 大規模な問題を桁違いに高速に解決し, しかもSonnetが誇る高い精度を維持します.
HPS(High Performance Solver *1)のサポート契約が有効なお客様はこの新しい解析エンジンをお使いいただけるようになります.
モーメント法に特化したFFT : The Unified-FFT Method
BeowulfはUnified-FFT(UFFT)法を実装した初めての商用製品です.
2014年にシラキュース大学で開発されたUnified-FFTは, 行列充填と行列解の両方にFFTを活用する反復法です. モーメント行列を一連のToeplitz配列とHankel配列として再定義することでロスレス圧縮を利用した陰解法です[1].
驚きの速さと少ないメモリー : Extreme Speed, Reduced Memory
完全な行列分解が不要なため, N*log(N)のオーダーのスケーリングによりBeowulfは大規模な回路をより高速に実行できます. 条件の整った大規模な問題では, 桁違いの高速化が可能です. また, 可逆圧縮によりシミュレーションに必要なメモリも少なくて済みます.
巨大な解析に巨大なサーバーは無用 : Solve Huge Problems without Huge Server Rooms
Sonnetの3D平面シミュレータにUFFTの効率性を組み合わせることで, Beowulfは小さなハードウェアでとてつもなく大きなEM問題を解くことができます. この16×16素子のパッチアンテナアレイはmini ITX デスクトップPCで解析できました.
類なき高精度と速さ : Unmatched Precision and Accuracy in a Fast Solver
Beowulfは, そのポテンシャルを最大限に引き出すことで世界的に実績あるこれまでのSonent解析エンジンと同等の精度と正確さを提供することが科学的に証明されています.
有効桁指定 : Selectable Performance/Precision
Beowulfでは, シミュレーションに必要な有効数字の数を正確に定義することができます. これは速度と信頼性のトレードオフです.トープリッツ/ハンケル配列のFFTは実質的にロスレスです.
文献 : References
[1] B. J. Rautio, V. I. Okhmatovski, A. C. Cangellaris, J. C. Rautio and J. K. Lee, “The Unified-FFT Algorithm for Fast Electromagnetic Analysis of Planar Integrated Circuits Printed on Layered Media Inside a Rectangular Enclosure,” in IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, vol. 62, no. 5, pp. 1112-1121, May 2014, doi:
注意 : Note
High Performance SolverはProfessional SuitesのHigh Performance Network製品に含まれる解析エンジンのライセンスです.