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導体図形が重なり合っていた場合、特に異種導体が重なり合った場合にどのように解析されるかを調べました.

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導体図形がばらばらの場合と一体の場合で結果は同じ?

ほとんど同じです.厳密には微かな差があります. 敢えて差がわかるモデルを作ってみました.

このモデルは1/4波長の先端短絡共振器に微小キャパシタを通じて結合した回路です. 左のモデルでは、共振器全体が一体の長方形のモデルですが、 右のモデルでは故意に1/4波長共振器をいくつもの図形に分割してあります.

モデルファイル: 1m.zon 1i.zon

二つのモデルを解析すると 、結果は微かに異なります.

二つのモデルのサブセクションを観察するとその原因が理解できます

左の共振器が一体のモデルでは、共振器が5つのサブセクションに整然と区切られています. ところが右の分割した共振器のモデルでは共振器は多くの、そして非対称なサブセクション群に分割されています.このサブセクションが違うことから二つの解析結果に差が生じます.

この実験では、両者の差が現れやすくするため、 サブセクションの数をなるべく少なくなる設定にしました

また、同じ目的で伝送線路でなく鋭い周波数特性を持った共振器を例として取り上げました. 一般の回路では、回路図形を分割するか一体にするかで有意な差が現れることはほとんどありません.

導体図形がオーバーラップしている場合と突き合わさっている場合で結果は同じ?

同じです.しかし厳密にはサブセクションの微かな違いから差が現れることがあります.

異種導体図形がオーバーラップしている場合どうなる?

抵抗率の低い(導電率の高い)導体のみが存在するとして扱われます.

上のモデルでは、右端のふたつの正方形の導体は それぞれ50Ω□と100Ω□の抵抗率の導体です. 正方形なので、正方形の対辺から正方形の内側をみた抵抗はそれぞれ50Ωと100Ωになります.

上の左の図で、左端のポートから右側をみたインピーダンスは (もし周波数が十分に低ければ) 50Ωと100Ωの並列なので33Ωに見えるはずです. 一方、上の右の図では、50Ωの抵抗と100Ωの抵抗がオーバーラップしています. この場合、sonnetは抵抗率の高い100Ωを無視するので 、左端のポートから右側をみたインピーダンスは 50Ωになるはずです.

パラメータスイープを使ってオーバーラップを変化させてみると予想通り、 二つの抵抗が完全にオーバーラップした場合は50Ωに見えています. さらに二つの抵抗が並列の場合と完全にオーバーラップした場合の 中間的な条件では結果が連続的に変化しています.

モデルファイル: r100_50.zon

2008/1/18