ソフトウェアのライセンスは、どこで何人の人がどのような機能を使えるか? で多くの種類があります.ネットワークライセンスは ”ネットワークで接続された研究所や工場や学校の中のどのマシンでも使える" ライセンスです. 使い方は容易で、運用管理も楽です.特にSonnetのネットワークライセンスにはremoteEM機能が含まれ、高価な計算用マシンの稼働率を上げ運用コストを下げることができます.
ライセンスの種別(どこで何人が使えるのか?)
どのマシンで何人が使えるか?という観点でソフトウェアライセンスを分類すると次の3種類があります.
nodelockライセンス
最も安価なライセンスです. ライセンスを受けた特定のマシンだけでソフトウェアを使うことができます. 如何なる場合も同時に1台のマシンでしか使えません.
マシンを買い換えたり、別のマシンで使うには、 ライセンス移動手続き が必要です. これにはサポートサービスが必要で且つ一年に一回しかできません.
席が近い数人での共用が現実的です. 解析中はマシンの負荷が大きくなり、Sonnet以外のソフトウェアのレスポンスも遅くなるので、大きな問題の解析には向きません. Sonnet LiteからSonnet Level3Goldまではすべてnodelockライセンスです.
ネットワークライセンス(フローティングライセンスと呼ぶこともあります)
ライセンスを受けた特定のマシンとネットワーク接続されたどのマシンでもソフトウェアを使うことができます.但し同時に使用するソフトウェアの数には制限があります.
どのマシンでも動くのですから、ライセンス移動手続きはほとんど必要なくなります.
また、実験室と事務室など複数の場所にインストールして使うこともできます.
誰かがemで解析している最中に、別の誰かはxgeomでモデルを入力し、さらに別の誰かはemvuで電流分布を観測できます. 高速なマシンを解析専用に設定し、ネットワーク上の解析JOBを順番に処理させることもできます.
研究室や開発チーム全体での共用に適します. 稼働率が高い機能のライセンスだけを買い足したり、下記のsiteライセンスと 組み合わせて運用することができます. Sonnet Professionalではnodelockかnetworkかを選択できます.
siteライセンス
ライセンスを受けた特定のマシンとネットワーク接続されたどのマシンでもソフトウェアを使うことができます.同時に使用するソフトウェアの数に制限がありません.
Sonnetでは、モデルの入力xgeom、など多くの利用が予想されるソフトウェアだけにオプション設定されています.
ネットワークライセンスの利点
運用面
ライセンスの更新が楽で運用コストを下げられる
サポートの更新、新しいバージョン、など年に1,2回程度ライセンスファイルを更新しなければなりません.ネットワークライセンスならライセンスサーバーのファイルを更新するだけですが、複数のnodelockライセンスではあちこちのPCのライセンスファイルを更新しなければなりません.
ライセンスの利用効率が高く運用コストを下げられる
Sonnet Suitesを構成する各機能はそれぞれ別のプログラムなので、同時に複数の人が利用することができます.
マシンコストを下げ、稼働率を高められる
SonnetSuitesのネットワークライセンスに含まれる remoteEM機能を使えば、解析用の高価なマシンは一台だけで済みます. remoteEMサーバーは複数のマシンから投入されたJOBを順番に処理して行くので、 高価なマシンの稼働率を最大にできます.
ソフトウェア構成がフレキシブルでアップグレードコストが低い
仕事が増えて処理能力を増やしたい場合、nodelockライセンスではすべての機能を一式購入しなければなりません.ネットワークライセンスなら稼働率の高い機能だけを追加購入できます.例えば、モデルの入力に時間がかかっているならxgeomだけを買い足すか、xgeomだけをsiteライセンスにアップグレードすればよいのです.
使い勝手
遅いマシンでもストレスが無い
解析以外のSonnetのプログラムは負荷が軽く遅くてメモリの少ないマシンでも使えます.
解析待ち時間に他の仕事ができる
ネットワークライセンスに含まれる remoteem機能を使えば、 手元のマシンに解析負荷がかかりません. 時間のかかる解析中にレポートや資料作りはもちろん、 他のシミュレータを使うこともできます.
解析待ち時間にPCの電源を切ってもかまわない
解析の最中にremoteEMサーバーとの接続を切ったり、 手元のマシンをシャットダウンしても平気です. 大きな問題なら夕方JOBを投入して帰宅し、 翌朝結果だけを取り出せば便利です.