bbextract:広帯域SPICE等価回路抽出
bbextractはsonnetの解析結果を 広帯域に渡って精度を保つSPICE等価回路に変換します.
Sonnetの解析結果は通常、
- グラフかスミスチャート
- S,Y,Zなどの線形パラメータファイル
- 限定された周波数範囲で近似されたSPICE等価回路
で出力されます. bbextractを使うと、これらに加えて
- 広帯域な周波数範囲で近似されたSPICE等価回路
を出力することができるようになります.
これによってSonnetの解析結果は、 殆どすべてのSPICE系回路シミュレータに渡すことができるようになります.
これまでの問題点とbbextract
- 限定された狭い周波数範囲でしか、Sonnetの解析結果と一致しない.
- bbextractなら数デカードを超える広帯域でもSonnetの解析結果に一致するSPICE等価回路を抽出できます.
- 緩やかな周波数特性の問題にしか適用できない.
- bbextractなら自己共振周波数を超える周波数領域や、フィルタなどの鋭い共振特性も取り扱うことができます.
- 広帯域な非線形回路解析にはSパラメータでのデータ受け渡しが必要
- 今まで通りSパラメータでの受け渡しもできます.
- Sパラメータを読むことができるSPICEは高価で、しかもSパラメータでデータを渡すと解析時間が延びる.
- SPICE等価回路でSPICEに渡せば、一般的なSPICEでも読み取れ、しかも解析時間は通常の回路と同じです.
SパラメータSPICE変換として
Sonnetの解析結果をSPICEに変換する以外に、Netlist Projectを作ってSパラメータファイルをsonnetに読み込ませれば、 既存のSパラメータファイルをSPICE等価回路に変換することもできます.
受動部品の例
TDK MLFシリーズのSパラメータを下記のnetlistで読み込み
S2P 1 0 MLF1608\MLF1608D47NM.s2p DEF1P 1 Net R 50.00000
bbextractでspice等価回路に変換し、変換前のデータとグラフで比較すると完全に一致する.
小信号トランジスタの例
バイポーラトランジスタのSパラメータファイルを下記のnetlistで読み込み
S2P 1 0 bipola.s2p DEF1P 1 Net R 50.00000
bbextractでspice等価回路に変換し、変換前のデータとグラフで比較すると完全に一致する.
- この例題のSパラメータファイル
- この例題のプロジェクトファイル
- bbextractが抽出したspiceファイル(pspice format)
- bbextractが抽出したspiceファイル(spectre format)