解析モデルの例
SONNETは多層構造の導体パターンを電磁界解析し,電気的特性を出力します. 特定の形状に基づいた解析しきでなく, 形状と材料パラメータを元に計算するので,構造や形状は任意で,設計者が意図しない 様々な影響も再現します.
メッシュ状のグランドを持った差動ペア
3ペアの差動線路とメッシュ状のグランドのモデルです. 青く見える線は差動線路間のアイソレーションを高めるために配置されたグランドです. 差動線路を流れる信号の影響でメッシュ状のグランドにも無視できない電流が流れている様子がわかります.
SONENTは非常に広い周波数範囲で使用でき,伝送,反射,アイソレーションを精密に知ることができます. このグラフは, 線路に対して平行垂直なメッシュと 線路に対して斜め45度のメッシュの差を示しています.
伝送損失の精密な解析
グラフは導体表面粗さと伝送損失の関係のグラフで, 表皮効果,近接効果による導体内の電流密度はもちろん, 表面粗さに伴う表面インダクタンスの影響をも考慮して解析しています. 配線が微細であればあるほど導体内の電流密度が高くなり,導体損失の精密な分析が必要になります.
SPICEモデル抽出
N本の伝送線路の解析結果から, N結合線路等価回路(n-coupled transmission model)に変換することもできます. このモデルは cadence spectre(R) にimportして, 任意の長さの線路に拡張したり,任意の波形に対する反応を調べることができます.
電磁界シミュレータ SonnetLiteには 使用期間の制限もありません. | |
例題を操作しながら学ぶ入門書です.
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無料の電磁界シミュレータ Sonnet Liteでも,例えば次のモデルを解析でき、線路の特性インピーダンスを近似式でなく電磁界解析に基づいて計算できます。 詳しく...
ストリップ線路
よくあるマイクロストリップ線路の特性インピーダンスと実効誘電率の解析例です。この近似式や計算ツールはネット上でいくらでも見つかります。 しかしSONNETでは,ベタグランドに接近した単純な線路のインピーダンスや実効誘電率の解析でも 微妙な周波数分散や, シールドボックスにそのものの共振の影響を再現します. それらは多くの近似式や回路シミュレータで無視されています.
差動線路
差動線路の解析も簡単です.これも無料の計算ツールがたくさんありますが、 Sonnet電磁界解析なら二本の線が非対称だったり,別のレイアーにあっても 特性インピーダンスと実効誘電率のを厳密に計算できます。 グラフでは線路間隔に対する,差動モードとコモンモードのそれぞれの特性インピーダンスと実効誘電率の解析結果です.
もっとくわしく
線路のSI問題や基板のPI問題について他にも多くの技術資料があります.
おすすめプランと概算価格
SI (signal integrity) に適したSONNET製品の概要です. 概算価格と仕様は 詳しく...
構造 | 特性インピーダンス | 実効誘電率 | Cadense Spectre(R)用等価回路 | 表面粗さの影響 | Sonnetのグレード |
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一様な断面の2本までの線路 | ◯ | × | × | × | Lite/LitePLUS |
一様な断面の3本までの線路 | ◯ | × | × | × | Level2Basic Antenna |
断面が変化する多条線路,不完全なベタパターン | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | Professional |
SONNETはUHF(900MHz帯,2.4GHz帯)にも使用でき,RFID開発の将来の展開にも対応できます. 詳しく...
無料のリソース
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高周波が専門で無いけど高周波を扱わねばならない方,これから高周波を勉強する方に,見逃しがちな基本を解りやすく解説した冊子です。 特性インピーダンスを調べるよりも前にわかっておくべきことがたくさんあります。 | |
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